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修繕工事の見積にある「アスベスト調査費」とは?― 法令遵守と安全確保のために必要な理由をわかりやすく解説 ―

2026.03.10 UP

はじめに|見積書の「アスベスト事前調査費」に疑問を持たれた方へ

大規模修繕工事や改修工事の見積書に「アスベスト事前調査費」という項目が記載されているのを見て、「これは何の費用だろうか」
「本当に必要なのだろうか」
「調査だけで費用がかかるのか」
と疑問に思われたことはないでしょうか。

現在、一定規模以上の修繕工事・改修工事では、2022年4月からアスベストの事前調査報告が
義務化されました。

つまり、この費用は任意のオプションではなく、法令を守り、安全に修繕工事を行うための
前提条件なのです。

本記事では、修繕工事とアスベスト調査の関係について、基本からわかりやすく解説いたします。


① アスベストとは何か?|まず基本を知る

アスベスト(石綿)は、かつて建築材料として広く使用されていた素材です。耐火性・断熱性・防音性などに優れていたことから、1970年代から1990年代初頭にかけて建築された建物には使用されている
可能性があります。

しかし、繊維が飛散して体内に吸い込まれると健康被害を引き起こすことが判明し、
現在では製造・使用ともに禁止されています。

そのため、既存建物で修繕工事を行う場合には、「削る」「壊す」「剥がす」といった工程に入る前に、
対象建材にアスベストが含まれていないかを確認することが法令上求められています。

② なぜ修繕工事でもアスベスト調査が必要なのか?

アスベスト調査というと、解体工事のイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし現在では、一定規模以上の改修・修繕工事でも事前調査が義務化されています。

例えば、外壁改修やタイル補修、防水工事、内装更新、設備交換など、建材に手を加える可能性のある工事は調査対象となります。修繕工事であっても、建材を撤去・加工する場合には、アスベストの有無を事前に確認しなければなりません。

つまり、「修繕だから関係ない」ということはなく、工事内容に応じて適切な確認が必要になるのです。

③ アスベストはレベル1〜3に分類される|含有された場合の処理対応

アスベストは、飛散リスクの高さによってレベル1からレベル3までに分類されています。
事前調査で含有が確認された場合は、そのレベルや状態に応じた適切な処理方法を選択することに
なります。

レベル1(吹付け材など)

レベル1は最も飛散性が高く、厳重な管理が求められる分類です。
作業を行う際には、作業区画を完全に隔離し、養生や負圧管理を行います。
また、飛散防止のために湿潤化処理を施し、作業員は防護服や防塵マスクを着用します。
除去後には空気測定を行い、廃材は特別管理産業廃棄物として適切に処分されます。

レベル2(保温材・断熱材など)

レベル2は、レベル1ほど飛散性は高くありませんが、適切な管理が必要です。
作業範囲の区画養生を行い、湿潤化処理や防護具の着用を徹底します。
取り外した建材は分別・密封処理を行い、安全に処分されます。

レベル3(成形板など)

レベル3は、外壁材や床材など固形化された建材に含有しているケースが該当します。
通常の状態では飛散しにくいものの、切断や破砕、強い衝撃が加わると飛散する可能性があります。

そのため、破損させない慎重な取り外しや必要に応じた湿潤化、飛散防止措置を講じたうえで、
適切に分別・処分します。
状況によっては、除去ではなく封じ込めや囲い込みといった方法が選択される場合もあります。

アスベストが含有している場合、レベルや状態によって必要な安全対策や作業工程が異なるため、
結果として処理費用にも差が生じることがあります。

ただしこれは費用が不当に増えるという意味ではなく、法令に基づいて安全を確保するための
工程差によるものです。

事前調査は、その適切な対応方法を判断するための重要なステップなのです。


④ 実際にどこを調査するのか?

調査対象となるのは、今回の工事で触れる可能性のある建材です。
具体的には、外壁下地や吹付材、パテ材、床材、保温材、配管断熱材などが挙げられます。

築年数や設計図書を確認しながら目視調査を行い、必要に応じてサンプルを採取し分析します。
修繕工事の内容と密接に関係しているため、闇雲に調査するのではなく、合理的に実施されます。


⑤ 調査を行わない場合のリスク

事前調査を行わずに修繕工事を進めた場合、法令違反となる可能性があります。
その結果、行政指導や工事停止、罰則といったリスクが生じるだけでなく、近隣トラブルに発展する
恐れもあります。

建物の資産価値やオーナー様の信用を守るためにも、適切な手続きを踏むことが重要です。


まとめ|安心できる大規模修繕を実現するために

アスベストの事前調査は、法令に基づき当然行うべき前提工程です。
しかし、本質は調査そのものにあるというよりも、安全性や法令遵守、透明性にどこまで向き合っているかという施工会社の姿勢にあると考えています。

大規模修繕工事は、単なる外装の改修ではありません。
建物の資産価値を維持し、将来にわたり安定した運用を目指すための重要な判断の一つです。
そのため、目に見える仕上がりだけでなく、見えない工程や法令対応が適切に行われているかどうかも、
検討材料として大切になります。

私たち鈴与三和建物は、必要な調査を確実に手配・管理し、信頼できる専門機関と連携しながら
工事全体を進めてまいります。工事には予期しない事象が生じる可能性もあるため、
調査結果を踏まえて工法や費用を整理し、リスクや留意点を事前にご説明したうえで
計画を組み立てています。

アスベスト調査は、その姿勢を示す一例に過ぎません。
安心できる大規模修繕とは、法令を守ることを前提に、見えない工程にも丁寧に向き合うことから
始まるものだと考えています。

見えない部分こそ丁寧に、確実に。
私たちは安全性と透明性を意識しながら、お客様の大切な資産を将来につなぐ修繕工事に
取り組んでまいります。

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