修繕か?建替えか?築年数だけで決めない賃貸マンションの判断と、外装修繕が果たす役割
2026.02.09 UP
Contents
はじめに|「老朽化=建替え時期」では判断できない理由
築年数が進んだ賃貸マンションでは、外壁の汚れやひび割れ、鉄部のサビ、設備の老朽化などが
目につくようになります。
そのためオーナー様の中には、
「この築年数なら、そろそろ建替えを考える段階ではないか」
「修繕をしても、あとどれくらいもつのだろうか」
と感じられる方も少なくありません。
しかし実務の現場では、築年数や見た目の印象だけで判断してしまい、選択肢を狭めているケースも多く見受けられます。
同じ築20年・築30年のマンションであっても、
・建物の実際の劣化状況
・これまでの維持管理の考え方
・立地や収益性
によって、取るべき判断は大きく異なります。
重要なのは「古いかどうか」ではなく、今の建物の状態と、将来の活用・経営方針をどう整理するか という視点です。 本コラムでは、修繕か建替えかを検討する際に押さえておきたい判断軸と、外装修繕が果たす本来の役割 について整理していきます。

🏢鈴与三和建物の強み
鈴与三和建物株式会社は1935年に創業し、90年以上にわたり多くのオーナー様の土地・建物に関わる幅広いニーズにお応えしてきました。
当社では、土地活用・大規模修繕・建物管理・売却をワンストップで対応できる体制を整えており、建物の現状と将来計画の両面から、無理のない選択肢を整理できる点が特徴です。
① 建物全体を見た現状整理
外装・設備・構造を総合的に確認し、今必要な対応を整理します。
② 工事ありきにしない選択肢提示
修繕・建替えの両面から、将来も見据えた判断材料をご提示します。
③ 中長期視点での経営サポート
相続や事業承継も含め、時間軸での建物活用をご支援します。
私たちは、これからも「安心と信頼のパートナー」として、オーナー様の資産価値向上に貢献してまいります。
初めてのご相談でも丁寧に対応いたしますので、「まずは話だけ聞いてみたい」といった段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。
① 築年数だけでは建物の状態は判断できない
築年数は、あくまで「時間の経過」を示す指標であり、建物の健全性を直接示すものではありません
実際には、
・一見きれいに見えても、内部では劣化が進行している建物
・適切な管理により、築年数以上に健全な状態を保っている建物
そのどちらも存在します。
建物は立地環境の影響を長年受け続けます。
・交通量が多く、排気ガスや粉じんが付着しやすい
・日射や風雨の影響を強く受ける外壁面が多い
・海沿いで塩害の影響を受けやすい
こうした条件によって、外壁・防水・鉄部の劣化スピードは大きく変わります。
同じ築年数でも、「まだ余力がある建物」と「早期対応が必要な建物」 に分かれることは珍しくありません。
維持管理・修繕履歴の違いの他に、もう一つ重要なのが、これまでの管理の積み重ねです。
・定期点検を行ってきたか
・劣化の初期段階で補修を行ってきたか
・漏水やひび割れを放置していなかったか
外装や防水の劣化を放置すると、雨水の侵入によって内部劣化が進行し、結果として修繕範囲や費用が大きくなることがあります。
築年数はあくまで参考情報であり、判断の軸は 「今の建物の状態」 に置く必要があります。

② 外装・設備・構造は同じタイミングで寿命を迎えない
建物を構成する要素は、すべてが同時に寿命を迎えるわけではありません。
| 区分 | 主な内容 | 更新・修繕の目安 | ポイント |
| 外装 防水 | 外壁仕上げ、屋上・バルコニー防水 | 約10〜15年 | 雨水侵入を防ぐ「保護機能」 |
| 設備 | 給排水管、給湯器、ポンプ類 | 約15〜25年 | 故障・漏水が入居満足度に直結 |
| 構造 | RC躯体(柱・梁・床) | 適切な保全で長期使用可 | 外装・防水が健全であることが前提 |
外装のひび割れや防水劣化は、構造体そのものが限界を迎えたサインではありません。
多くの場合、
「構造体を守るための保護機能が弱くなっている状態」
と捉える方が現実的です。
適切なタイミングで外装修繕を行うことで、構造体の健全性を長期にわたって維持することが可能になります。
関連コラム|外壁塗料5種類の特徴と耐用年数・選び方を解説
③ 見た目とマンション経営の健全性は一致しない
修繕か建替えかを考える際、どうしても外観の印象に引っ張られがちですが、実務上は経営状況と切り分けて考えることが重要です。
・外観は古いが、立地が良く入居率が安定している
・設備更新も段階的に行われ、賃料水準を維持できている
こうした物件では、外装修繕によって競争力を維持できる可能性があります。
一方で、
・外観は整っているが、設備トラブルが頻発している
・室内仕様が古く、入居付けが厳しくなっている
といった場合は、外観だけを整えても経営改善にはつながりません。
最終的に見るべきなのは、今後も賃貸事業として成立するかどうかという視点です。

④ 外装修繕が果たす本来の役割
外装修繕は、単なる「見た目をきれいにする工事」ではありません。
本質的な役割は、構造体を守るための防水・外壁機能を回復させることにあります。
外装・防水の劣化を放置すると、
・雨水侵入による内部劣化
・鉄部・躯体への影響
・漏水トラブルの増加
といった問題が起こりやすくなります。
外装修繕は、これらのリスクを未然に抑える予防的な保全工事と位置づけるのが実務的です。
さらに、
・タイル落下などの事故リスク低減
・入居者クレームの抑制
・修繕費の突発的な増大防止
といった、経営面での安定化にも寄与します。
⑤ 修繕は「延命」ではなく、判断材料を整える手段
「どうせ将来は建替えるなら、修繕は無駄ではないか」
という声を聞くこともあります。確かに、来計画を考えずに修繕費をかけ続けることは望ましくありません。
一方で、適切な範囲での外装修繕には、
・数年〜十数年の安定運営期間を確保できる
・収益を維持しながら次の選択肢を検討できる
・相続・売却・建替えのタイミングを調整できる
という意味があります。
修繕は単なる「延命」ではなく、長期的な収支と将来方針を整理するための時間を確保する手段と捉えることもできます。

まとめ|「今の建物」と「これから」を整理することが第一歩
修繕か建替えかに、唯一の正解はありません。
重要なのは、
・建物の現状
・劣化の進行度合い
・収益性と今後の事業計画
・相続・売却・事業承継のタイミング
を整理したうえで、選択肢を比較することです。
外装修繕は、単なる美観回復ではなく、将来の選択肢を狭めないための経営判断の一部です。
「今すぐ修繕か、今すぐ建替えか」という二択ではなく、まずは現状を正しく把握すること。
それが、賃貸マンションを健全に運営していく第一歩と言えるでしょう。
関連コラム


