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土地活用で知っておくべき「特定道路による容積率緩和」とは?容積率の緩和で大きなマンション・ビルを建てられるの?

2023.11.27 UP

マンションやオフィスビルの建築といった土地活用を考えるとき、対象となる土地に「どれくらいの規模の建物を建てられるのか」を知ることは非常に重要です。

より大きな建物を建てられれば、同じ土地でも高い収益を実現できる可能性があるからです。

土地に対して建てられる建物の規模を知るためには「容積率」や「容積率の緩和」の考え方を知る必要があります。

容積率は「建物が接する道路の大きさによって、建てられる大きさが変わる」場合があります。

もっと具体的に、容積率や容積率の緩和とはどのようなものか、確認しましょう。

そもそも容積率とは?

容積率とは、建物の延べ床面積を敷地面積で割ることで求められるものです。

たとえば、100㎡の土地に、1階50㎡、2階30㎡の2階建てが建っていたとしましょう。
この建物の延べ床面積は50㎡+30㎡=80㎡です。

100㎡の敷地に対して延べ床面積80㎡の住まいが建っていることから、この物件の容積率は80%ということになります。

容積率を定め建物の規模(大きさ)を制限することで、景観などを守り、その地域で統一された街並みを形成することが出来ます。

日本の土地の中で建物を建てるのに適した土地では容積率の上限が定められているため、指定された容積率を超える大きさの建物を建てることはできません。

建築予定の土地の容積率は、以下の2つの容積率のうち小さい方の制限を受けます。

  • (1)都市計画で定められる容積率
  • (2)建物が接する道路の幅(前面道路幅員)から求められる容積率

このうち(1)は、該当する土地の都市計画図によって確認できます。

例として港区の都市計画図を参照してみましょう。

土地活用で知っておくべき「容積緩和」とは?:港区の都市計画図2

>港区都市計画情報提供サービス

都市は利用目的によって区域が細かく区切られていて、それぞれに容積率が設定されています。

図の各所にある丸の上側の数字が容積率を示しています。
例えば、容積率が200%である場合は、土地の面積の2倍の床面積を上限に建物を建てられることを示します。

次に(2)建物が接する道路の幅(前面道路幅員)から求められる容積率は、住居系の区域であれば「前面道路幅員(m)✕0.4✕100」、その他の区域であれば「前面道路幅員(m)✕0.6✕100」で計算されます。

たとえば、都市計画で定められる容積率が800%の商業系の区域を考えてみましょう。

前面道路の幅員が6mであれば、「前面道路幅員6m✕0.6✕100=360(%)」となり、800%を下回るため、当該土地の容積率は360%ということになります。

なお、都市計画上の指定容積率は自治体によって異なりますが、以下のいずれかの数値を用いることになっています。

用途地域指定容積率
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
50%・60%・80%・100%・150%・200%
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
準工業地域
100%・150%・200%・300%・400%・500%
商業地域200%・300%・400%・500%・600%・700%・800%・900%・1000%・1100%・1200%・1300%
工業地域
工業専用地域
100%・150%・200%・300%・400%
用途地域の指定のない区域50%・80%・100%・200%・300%・400%
>建築基準法:第五二条 容積率

容積率の緩和について

容積率について分かったところで、続いて「容積率の緩和」について解説します。

容積率の緩和は、敷地が接する道路の幅員が広い道路から狭い道路に移ったとき、急激に容積率が低下してしまうことを防ぐために設定されています。

たとえば、指定容積率800%の商業地域を想像してみましょう。

容積率の緩和規定がない場合は、特定道路に面する土地では800%の容積率の建物を建てられますが、接続する幅員7mの道路に入ると、容積率は7m✕0.6✕100の計算から420%にまで下がってしまいます。

大きな道路に面する土地とそうでない土地とで建てられる建物の高さに差が生じてしまい、街並みの形成に影響が出るばかりか不公平感も感じられるでしょう。

容積率の緩和規定があることで、急激に容積率が低下することなどの影響を解消できるのです。

実際に容積率の緩和規定を利用すると、どのような計算を行うことになるのでしょうか。

この特例が適用される条件は以下のとおりです。

  • ・前面道路の幅員が6m以上12m未満
  • ・広い道路(特定道路:幅員15m以上の道路)までの距離が70m以内

この場合に、以下の計算式で求められる加算値を加えて計算できます。

具体的に容積率緩和の計算を行ってみましょう。

はじめに想定するのは、前面道路幅7m、特定道路までの距離7mに位置する土地です。

容積率の緩和規定を適用しない場合は、先ほどの計算と同じように7m✕0.6✕100の計算から420%が容積率の上限になりますが、特定道路に面する土地の容積率800%と比べると、不足を感じてしまいます。

特定道路から7m離れた土地を想定して緩和規定を利用すると、容積率は690%へと緩和されます。

仮に分かりやすくする為に、土地の面積いっぱいまで建物を建てることが出来るとすると、緩和規定を利用する前は4階建ての建物になるはずが、緩和規定を利用することで7階建てまでの規模の建物を建てられることになります。

さらに次のケースは、特定道路から28m離れた土地を想定すると、容積率は600%へと緩和されます。

このように容積率の緩和を利用することで、適用しない場合と比べて容積率を大幅に緩和でき、大きな建物を建てられて、高い収益を実現できる可能性が高まります。

なお、特定道路から距離が離れるほど、緩和される割合が低くなる点には注意が必要です。

まとめ

「容積率とは何か?」「容積率の緩和とは何か?」

こうした疑問に対して、図を利用して分かりやすく解説しました。

今回ご紹介したように、建築するときはご自身の土地の面積や形を知っているだけでは不十分なのです。周辺の調査もしっかりと行い、ご自身の大切な不動産の利用価値を把握しておくことが大切です。

容積率について把握することで、同じ敷地であってもより高い建物を建てられるケースがあり、高い収益率を見込める可能性があります。

マンションやオフィスビルの建築を計画している方は、土地の容積率について正しく把握する必要があります。

なお、容積の対象となる床面積の計算においては、今回紹介した容積率の緩和のほか、住宅のビルトインガレージの一部やロフトの利用などの際、一定の面積を容積率に算入しなくてもよいという考えかたもあります。
所有している土地や購入を検討している土地・建物でどの規定を利用できるのか、判断するのは簡単ではありません。

こうした事柄で悩んでいる場合は、土地活用の経験が豊富なプロに依頼することをおすすめします。
鈴与三和建物株式会社では、80年以上土地活用に携わり続けてきた経験を元に、土地活用のアドバイスを行っています。

本記事のような土地に適用される規定のことで悩んだときは、お気軽にご相談ください。

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