白華(エフロレッセンス)とは?外壁修繕などマンションを守る4つの対策を解説│白華の問題点や原因も紹介
2025.05.08 UP
マンションなど建物の外壁に白い析出物(セキシュツブツ)を確認した場合、白華現象が進行している可能性があります。
白華現象は、外壁修繕など、適切な対策を施すことで発生を抑えられますので、定期的な外壁の点検や修繕が欠かせません。
本記事では、白華現象が生じるメカニズムや原因、具体的な問題点や対策についても紹介します。
「そろそろ外壁修繕の時期かも」このように感じている方は、白華の有無を気にしてみましょう。
白華の進行が修繕時期の到来を示しているかもしれません。
Contents
1 白華とは?

白華とは、外壁の隙間などから生じる白い析出物(セキシュツブツ)を指します。
- ・白華
- ・白華現象
- ・エフロ
- ・エフロレッセンス
このように複数の名称で呼ばれます。
はじめに、白華はどのように生じるのか、また原因についても確認します。
2 白華が生じるメカニズム
が発生するメカニズムの図解-1.jpg)
白華が発生する箇所は、主にコンクリートやセメントで構成された構造物です。
頂部や壁面から染み込んだ雨水が細かな亀裂などを通り、外壁に排出される際にコンクリートに含まれる、カルシウムや塩分、石灰成分などが溶出し固まることで発生します。
3 白華が生じる原因
このように白華が生じる最大の要因はコンクリートの内部を通過する水分ですが、水分が浸透する原因は。
- ・コンクリートの亀裂です。
施工不良による水分の浸潤は、適切な施工管理や養生などによって対策可能です。
ほとんどの場合経年劣化によって発生します。発生した亀裂は定期的な点検および外壁の再塗装などによって対策を取る必要があります。
白華から発生する5つの問題
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紹介した原因で生じる白華、実は白華によって生じる析出物および現象自体は建物や人体に影響を与えるものではありません。
しかし白華の量が多い場合や長期間におよぶ場合など、問題を生じさせるケースもありますので紹介します。
3-1 コンクリートが中性化する
1つ目の問題は、コンクリートの中性化です。
コンクリートは強いアルカリ性を持つ材料で、アルカリ性があるため内部にある鉄筋がサビから保護されます。
しかし水分、および二酸化炭素が外部から浸透することで、コンクリートがアルカリ性から中性へ変化し、鉄筋を保護する能力を失ってしまいます。
こうした一連の反応を中性化と呼びます。
3-2 鉄筋など構造部分の劣化が生じる
2つ目は、鉄筋など構造部分の劣化が生じることです。
白華が生じているということは、鉄筋コンクリート内部に雨水などの水分が供給されていることを示しています。
結果、中性化が進行し鉄筋のサビなど腐食が進行することとなり、構造部分の強度低下を引き起こします。
3-3 鉄筋の爆裂により強度が落ちる
3つ目は、鉄筋の爆裂により強度が落ちることです。
鉄筋のサビは、鉄が酸素と結合し酸化鉄になったことを示しています。
酸化鉄は鉄よりも体積が多いことから、コンクリートの内部から押し広げられるように鉄筋コンクリートを破壊します。
この結果、鉄筋の破断やコンクリートの亀裂につながり、さらに外部から水分が浸透するサイクルが回っていくことになります。
3-4 析出物(セキシュツブツ)による外観の悪化
4つ目は、析出物(セキシュツブツ)の発生による外観の悪化です。
白華はコンクリート表面に白い析出物が生じることとなりますが、特に色味の濃い外観の建物においては目立ちますので、外観デザインを毀損することとなります。
白華は取り除くために足場の設置、洗浄剤や高圧洗浄機を利用することもありますので、清掃費用が嵩むことにもつながります。
3-5 タイルなど外壁の剥離
5つ目は、タイルなど外壁の剥離です。
白華の析出物が、下地となるモルタルとタイルなど仕上げ材のあいだに堆積を始めると、仕上げ材の傾きや剥離につながる恐れがあります。
外観デザインが損なわれることは当然ながら、落下により通行人がケガをする恐れもありますので注意が必要です。
マンションを守る!白華への4つの対策
このように様々な問題を引き起こす白華ですが、対策を取ることで外観を保つことや、発生を防ぐことも可能です。
具体的には、次の4つの対策を検討しましょう。
白華を含めた外壁の定期的な点検

白華は外壁の点検によって容易に見つかります。
早期に発見できた白華であれば、コンクリート内部の中性化やサビの進行を防げる可能性があります。
このため、白華およびその他の問題に対処するためには、定期的に点検し変状を早期に見つけることが重要です。
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白華の除去

白華が見つかった場合、外観の悪化を防ぐために除去を検討しましょう。
この上で、白華が再発することのないように、屋根や外壁などに塗装工事を施して、雨水などが壁内に侵入することを防ぐ対策がおすすめです。
- ・セメントやコンクリート向けの防水材
- ・モルタルを利用したひび割れ補修
- ・樹脂などを注入する工法によるひび割れ補修
- ・特殊薬品での洗浄後は、目地材充填やコーティング等による保護処置を行う。
こうした対策を取って、白華の再発を防ぎましょう。
大規模な外壁の修繕

白華した箇所のみ修繕する対策のほか、壁面全体を補修する大規模修繕も劣化の状態や建築後の年数によっては必要です。
- ・外壁全体の洗浄
- ・全体への外壁塗装
- ・タイルの張り替え
こうした対策を施して、外壁に生じた異常をまとめて修繕しましょう。
築50年以上の建物は修繕または建て替え準備を検討しては。

築50年に達するなど、ビル・マンションの築年数が長い場合は、外壁の修繕を施しても耐震の問題等建替の検討時期に近づいている状況です。
引き続きマンションに住み続けたり賃貸事業を継続する場合は、修繕と建て替えの双方の検討をする必要があるかと思います。
10年、20年と長いスパンで見ると、修繕するより建て替えた方が好ましい結果となる場合もあります。
しかし、建て替えの検討となると順調に計画が進んでいかない事がございますので早めの計画をおすす
めします。
>>関連コラム:大規模な修繕工事を実施するまえに考えるべきこと
まとめ

>鈴与三和建物の「無料建物劣化診断」へお気軽にお問い合わせください
ビル・マンションの建築や管理、居住する方にとって気になる話題、白華についてお伝えしました。
鉄筋やコンクリートといった建築材料自体の劣化が、タイル欠落や鉄筋の破断という建物の構造や強度に直結する問題につながることもあります。気になる方は早めに対処することをおすすめします。
外壁の異常、その他のビル・マンションに関するお悩みを抱えている方は、鈴与三和建物株式会社までお気軽にご相談ください。