老朽化したマンションを所有していますが、建替をするか迷っています。
まず、建替が必要かどうかを判断するポイントとして以下のようなことが考えられます。
耐震性能に問題がある場合は、耐震補強工事が可能かどうかを判断し、可能な場合は工法や費用の検討が必要です。給排水設備の老朽化の確認には配管の中をカメラ等を使って確認し、改修が必要な場合は改修費用の算出を行います。入居者の需要動向がどう変化しているのか調査を行い、現在の建物が対応可能かどうかを確認する必要があります。
また、インターネットや地デジといった通信、視聴設備の導入が可能かといった検討も必要です。他にも要素はあると思われますが、それぞれの問題が解決できるのであれば、建替えではなく、リニューアルやコンバージョン(用途を変更する)を検討するのもいいでしょう。
その場合で、投下する費用が過大になった場合、建物の耐用年数によっては投下したコストが回収できない場合があり、建替の場合と比較する必要があります。
大規模リニューアルの場合で、設備改修や耐震補強といった工事を行うには、建替同様に入居者の立退きが必要となることも考えられます。
そういった諸費用も含めてしっかり計画を立てることが重要となります。
貸駐車場とマンション(アパート)経営のどちらの方が良いのか迷っています。
賃貸マンション経営と貸駐車場経営はどちらも土地を有効に活用する手段といえますが立地条件に左右されます。
税務的な面を見ると、土地の固定資産税については賃貸マンションの場合は、住宅用地の課税標準の軽減特例により以下のように軽減されます。
収益に対する所得税では、賃貸マンションの場合は貸駐車場と比べ、固定資産税の他に建物の減価償却費等を経費として計上する事が出来ます。 相続税については、一般的な青空駐車場の場合は更地として評価されますが、賃貸マンションは貸家建付地評価となり、相続税評価での軽減を計る事が可能です。
その他、小規模宅地の特例が受けられます。
賃貸マンションと貸駐車場の税務的な大きな違いは上記のような事ですが、貸駐車場といっても一般的なものから、タワーパーキングや立体自走式駐車場など多様なものがありますので、その内容により異なります。税務面以外では、駐車場経営は賃貸マンションを建築するより着手がしやすいという面があります。
一方で、一般的に自己建築による賃貸マンション経営のほうが駐車場経営よりも賃料収入は高くなる事が考えられます。
どちらにするかは、ご自身の資産背景をもとに、その他様々な点を考慮して決める必要があります。
変形敷地での有効活用は出来ますか?
規格型の建物の場合、敷地形状によっては計画が難しい場合がありますが、弊社では自由設計によって敷地形状の特徴を生かした設計を行うことにより、個性のある建築をご提案しております。
都市部には意外と変形した敷地が多く、建築計画には無駄が多いと思われる土地でも利用の仕方によっては有効な敷地になる場合が少なくありません。
例えば、図-1のL型敷地のように道路から見て奥で曲がったような土地の場合、その部分をマンション居室の窓先空地として利用することによって、賃貸の住戸が計画可能となることもあります。
また、図-2のような、奥に広がっている敷地の場合でも変形部分に共有部を配置することにより、住戸は矩形となり、外観も特徴あるフォルムとなります。
建築を行う場合、敷地の道路との接道長さが問題になる場合があります。例えば、共同住宅(アパートやマンション)を建てる場合、東京の都市計画区域内においては敷地が4メートル以上(注1)道路に接道していなければなりません。旗竿状敷地で接道長さが4メートルに満たない為、一戸建ての住宅しか建築できないと思われている敷地でも、条件が整えばタウンハウス形式等の建築が可能となります。(図-3)形状によって有効活用は無理とあきらめる前に是非、一度ご相談ください。
修繕費として経費計上できるのは、どのようなものが該当するのでしょうか?
建物・付属設備・機械装置・器具備品などに異常な箇所があれば修理・改良等を行いますが、税法上はこれらのすべての支出が経費として認められるわけではありません。
判断の第一段階として、
費用が20万円に満たない修理や改良工事、もしくはおおむね3年以内の期間を周期として支出しているときは、修繕費として経費計上となります。
第二段階において、
第一段階の判断で修繕費に該当しない支出について、資産の価値を高め、耐久性を増すような次の支出は『資本的支出』とされ、固定資産の取得価額に加算した上で、「減価償却費」として耐用年数にわたり経費としていく必要が有ります。
1. 物理的に付け加えた部分の金額
2. 用途変更のための模様替えや増改築費用
3. 機械の部品を特に性能の高い物に取り替えた場合で、通常の取替えの金額を越えた部分の金額。
例えば、建物の増築、避難階段の取付費用、モルタル外壁をタイル張りに変えたりする支出が該当するでしょう。
第三段階において、
第二段階で資本的支出に該当しない支出について、通常の維持管理・現状回復のための支出に該当するものは、修繕費として経費計上となります。
第四段階において、
第三段階で修繕費に該当しない支出について、金額が60万円未満の時、または、その固定資産の当初の取得金額に過去に行った資本的支出を加算した前期末での取得価額の10%相当額以下であるときは、修繕費となります。
第四段階でも資本的支出か修繕費か判断がつかない支出は、一定の経理をしているものを除き、実質により判断することになります。
隣接地と合わせれば効率の良いビルが建てられるように感じます。
共同事業と言っても幾つか方法があり、代表的な事例は下記の二つになります。
いずれも話し合いにより、お互いの権利関係を調整することで共同事業が可能になります。共同事業化により土地を整形化・大型化することができ単独事業と比較してエレベーター・階段・設備関係等、スペースの共有化をすることにより、ビルの収益性を高めることができます。
建築した場合の相続税の効果について教えてください。
不動産を所有している方にとって、相続税の問題は切実ではないでしょうか?
相続対策として、例えば賃貸マンションを建築するケースでは、建築することで、相続税評価を下げる効果があるからです。
そのひとつは、貸家建付地等の土地評価を下げる効果です。貸家建付地とは貸家(賃貸マンション)が建っている土地をいい、「借地権割合×借家権割合」を土地評価から減らすことができます。例えば借地権割合70%、借家権割合30%の地域であれば、「借地権割合70%×借家権割合30%=21%」を貸家建付地として評価減する効果があります。
もうひとつは、建築資金を借入することにより、負の財産をもつことになり、相続財産評価額を減らす効果があります。建物は固定資産税評価額で評価される為、実際の建築費よりも低く評価されます。建築費を全額借入した場合、実際の建築費(借入額)と固定資産税評価額の差が負の財産となるからです。
例えば建築費3億円のマンションを全額借入で建築したとします。完成後の建物の固定資産税評価が仮に1.8億円だったとすれば、この場合さらに借家権割合の30%分が減額出来ますので、1.8億円×70%で評価は1.26億円となり、借入金額との差額の1.74億円を評価のうえで減らす事となります。
なお、借入する事無く現金で建築した場合も同様の効果があります。つまり現金で3億円のマンションを建築しても完成後の評価は借家権割合を減額した後の1.26億円となるからです。(現金の3億円は相続評価でも3億円です。)この他にも連年贈与をおこなったり、相続時精算課税制度を利用する方法等々あります。
また、相続後に残された家族が仲良く暮らしていく為には、早い時期から問題(争い)にならないように、資産継承(遺産分割)を充分に考えておくことが大切になります。財産の分配方法を検討し遺言書を作成しておくのも良い方法です。
土地活用で借金をしたくありません、等価交換とはどのような方法ですか?
等価交換とは?
所有している不動産を他人の所有する不動産と交換することで、その財産価値や利用価値を高めることを目指します。また、税務上は交換といえども、いったん売却したことになり譲渡税が課税されるのですが、一定の条件を満たし等価交換として認められると課税を繰り延べすることができます。不動産の等価交換としては、
と、大きく2つに分類されるでしょう。土地と土地の交換の中には、借地権と底地(所有権)の交換も含まれます。
土地と区分所有建物(マンション、店舗等)の交換とは?
土地の所有者が土地を開発業者(デベロッパー)に提供し、この土地上に開発業者が建物を建築します。土地の所有者は開発業者が建築した建物の一部を、提供した土地の価格と等価で交換し所有することをいいます。土地所有者は資金を使わず建物が取得でき、自宅として使ったり、賃貸として活用することができます。また開発業者は交換しなかった建物を分譲販売します。
メリット
デメリット
専門的な調査や権利調整等をしっかりと行うことが成功の秘訣です。
共有名義の土地を所有していますが、今後どのようにしたらよいでしょうか?
共有のままでも現在駐車場に利用し持分に応じて各個人が収益を取得していたりすれば、それもひとつの活用方法ではあります。
しかし、共有名義の不動産はいくつかの問題を含んでいます。
共有者の意見が一致しないと、基本的には何も出来ませんし、将来、相続が発生してしまうと、さらに名義が細分化し複雑になってしまう事があります。
ここでは、共有を解消する事として以下のような方法をご紹介します。
いずれにしても、公正中立なアドバイザーの基に土地の広さ、利用状況、共有者の人数、考え方等により、どの方法を選ぶかを判断していくと良いでしょう。
現在事業資金の借入があります。不動産活用で必要となる資金は、追加融資を受ける事が出来ますか?
追加融資の可能性はあります。
ただし、既存の借入や不動産活用で予想される事業計画の内容により大きく左右されます。
事業者の方は事業資金として、既に借入れされている方が多くいらっしゃいます。
ポイントは不動産活用での事業計画からの収益がどの程度期待できるのかという事です。
計画の内容により収益に違いが生じますし、既存の借入金を含めても収益として一定以上のものが生み出せるのかどうかです。その為にはしっかりとした事業計画に基づく収支計画書を作成する必要があります。
さらに、既存事業経営と不動産活用を合わせて、税務・法務、金融など色々な角度からの検討も必要となります。
借地でも有効活用はできますか?
地主さんとの話合いによる相互理解により可能となります。
つまり、基本的には地主さんの承諾のもとに計画を進める事となるからです。
先ずは、
現在の借地契約書の内容を確認したうえ、計画建物が木造なのか鉄骨なのかという構造や使用目的などを確認します。構造や用途によっては契約期間の変更等があるからです。また、地主さんへの建替承諾料等の有無、その時期や金額を確認しておく必要が有ります。
また、建築資金を金融機関からの借入で行う場合は、事前に十分な打合せを行う必要があります。特に事業性の建物(賃貸マンションなど)を計画する場合は、その収支計画や担保評価がポイントになります。金融機関としては、事業収支がプラスとなり将来にわたり返済に懸念が生じないような内容なのか、或は計画物件の担保評価はどうなのかを検討して判断をする事となるからです。また、その金融機関へ建替承諾書の提出等も必要になる事が一般的です。
以上のように借地での計画はいくつかの必要な話合いや、手続きを通して可能となります。
その他のアプローチとしては、以下のような事が考えられます。
このような場合は事前に基本計画をよく考え、課税される税金等もよく検討のうえ進める事が大切です。